山口百恵がデビューした時の印象は、なんて歌の下手な歌手だろうという事だった。音程は不安定だし、音域は狭いし。音域はぐんぐんと広くなっていったけど、音程の悪さは引退するまで直らなかったな。武道館の引退コンサートのDVDを観ても、ひどく音がはずれているもの。
だけど、山口百恵はそれを補って余りある雰囲気を持った歌手だった。持って生まれた雰囲気で観客を魅了する、生まれついての芸能人だったのか、彼女の人生が雰囲気を与えたのか。私生児であるという彼女の生い立ちが、人の心を揺さぶる雰囲気を与えたのかもしれない。彼女の発声を聞いていると、曲によって張る声、抜く声と実に細やかな心遣いが感じられるのである。
実は、僕は山口百恵のシングル版全て、発表された楽曲の全ての音源、現役のころの各種映像、直筆サインを持っているのがちょっと自慢だ。
引退してからすっかり表舞台から姿を消した彼女だが、そのせいか、僕のまぶたに残っている山口百恵は引退した頃のままである。
時折、病院なんかの待合室の女性週刊誌に現在の彼女の記事が出ていると、つい読んでしまうが、僕にとって山口百恵は永遠のアイドルで青春の象徴なのである。
